株式会社中萬学院 - 神奈川県・横浜市の学習塾・進学塾

CG’s EYE

県内公立中学・高校生の進路

No.002 2015年09月30日

公立中学生の進路

今春、神奈川県内の公立中学校を卒業したのは6万9744名でした。【グラフ1】は、卒業生の進路別の割合を示したものです。県外含む全日制私立高校には卒業生の27.4%、1万9094名が進学しました。昨年より実数も割合も若干増え、およそ4人に1人以上が私立高校に進学しています。一方、県内全日制公立高校には卒業生の61.8%にあたる4万3079名が進学しました。昨年より実数では300名少なく、割合では0.3ポイント上がっています。

グラフ1

【グラフ2】は、今春卒業した公立中学生が昨年10月時点でどのような進路を希望していたかをまとめたものです。卒業予定者数の81.4%が全日制公立高校を希望していたことが分かります。「8割が全日制公立高校を希望し、進学できるのは6割」というのが神奈川県公立高校入試の現状で、その割合は毎年変わりません。その代わり、進路希望調査時点では10%に満たない全日制私立高校への進学が27%に増えます。公立第一志望の生徒であっても、「行きたい」と思える私学があることは重要です。「公立、私立それぞれの第一志望」を見つける志望校選択を心がけたいものです。中萬学院では、毎年10月に私立高校入試相談会を開催しています。県内公立中学生が受験する主要私立高校が一堂に会し、1対1の入試相談をすることができます。中3生だけでなく、中1・中2もこのような機会を活用し、自分にとって魅力ある、そして目標となる高校を早期に定めましょう。

グラフ2

公立高校生の進路

今春、神奈川県内の公立高校等を卒業した4万623名の進路をまとめたのが【グラフ3】です。公立高校生の大学等進学率は57.8%、県全体では61.7%、全国第3位の進学率です。10年前は公立高校生が46.1%、県全体では51.8%でしたから、この10年で進学率は10ポイント程度上がりました。また、進学準備いわゆる浪人は年々減少し、今年は7.9%でした。全国的にも現役生のみの進学率と過年度生を含む進学率との差は縮まっており、30年前は7ポイントあったその差が、今年は2ポイントまで縮小しています。

グラフ3

大学入試の一次関門と言われる大学入試センター試験。来年は850大学・短大がセンター試験に参加します。国公立大学で増えつつある推薦入試でもセンター試験受験を課す大学・学部が多くあります。都道府県別の大学入試センター試験志願率をまとめたのが【表1】です。神奈川県は全国19位の43.6%、全国平均とほぼ同じです。進学率は全国第3位なのに対し、センター試験志願率は全国19位ですから、私立大の推薦・AO入試での入学者が多いことがうかがわれます。ちなみに進学率全国2位は京都府(66.4%)ですが、センター試験志願率は全国40位(34.9%)と、より顕著な傾向が見られます。

【表1】2015年度大学入試センター試験志願率

順位 都道府県 志願率 志願者数
1 東京 54.9% 55,294
2 広島 53.5% 12,699
3 愛知 52.4% 33,076
4 富山 50.8% 4,760
5 石川 50.0% 5,158
19 神奈川 43.6% 28,149
全国 42.8% 455,392

※志願者数は高等学校所在地による高等学校等卒業見込者
※志願率は卒業生数に対する志願者数の割合
(大学入試センターおよび文部科学省学校基本調査より)

県立高校改革と学力評価テスト

現中学2年生までは大学入試センター試験世代ですが、現中学1年生以降は「脱センター試験世代」となる予定です。大学入試では、各大学が定めるアドミッションポリシーに沿って学力の3要素(①知識・技能②思考力・判断力・表現力③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)が測られます。また英語は「聞く・話す・読む・書く」の4技能を測るとし、TOEICやTOEFL、TEAP(日本英語検定協会)など民間資格・検定試験の活用も検討されています。これらの動きはすでに部分的に始まっており、たとえばTEAPは2015年度に4大学だった実施校が18大学に増えます(英検協会HP9月末時点)。
また神奈川県では「県立高校改革」が来年度から始まります。3期12年にわたる改革では、現在142校ある県立高校を再編・統合し、20~30校減らすことなどが盛り込まれる予定です。実施計画は12月の議会承認を経て実行に移されます。現在18校ある学力向上進学重点校の指定も今年度で終了、新たに指定される予定です。

CG’s EYEでは引き続き県内教育情報と戦後最大級の教育改革をお届けしていきます。

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