2022年4月、神奈川県教育委員会は臨時会議において「神奈川県公立高等学校 入学者選抜制度改善方針」を示し、公立高校入学者選抜制度を一部変更すると発表しました。変更後の入学者選抜制度は現在の中学2年生が受験する2024(令和6)年度から実施されます。
おもな変更点は以下の通りです。
選抜時期の変更
- 定通分割選抜の二次募集を廃止、定通分割選抜実施時期も変更に
共通選抜(全日制)検査等の変更
- 共通の検査から面接を除外*
面接は特色検査の1つに。特色検査は自己表現・実技・面接の3種類の中から各校の特色に応じて実施
*クリエイティブスクールは共通の検査で特色検査(面接)を実施 - 一般募集第2次選考において第3学年の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を数値化し活用
定通分割選抜の二次募集は廃止へ
定時制・通信制の高校において共通選抜全日程終了後に行われるのが定通分割選抜です。募集定員を下回った場合に行われる二次募集について、実施しても志願者が集まらない状況が続いているため、今回の変更で二次募集の実施自体が廃止されることになりました。これにより定通分割選抜の実施時期も改められ、終了時期は約1週間程度前倒しとなります。
共通選抜(全日制)共通の検査から面接を除外
「面接」は現行の入試制度が始まった2013年春から「主体的に学習に取り組む態度」を測ることを目的に行われてきました。しかし、以前から10分程度の時間では一人ひとりを適切に評価し、有意な差をつけて点数化するのは困難であるという課題が指摘されていました。また、2021年春に中学校で成績をつける際の観点別学習状況の評価の観点が学力の3要素にしたがって3つに整理され、その一つが「主体的に学習に取り組む態度」になりました。つまり、学校成績(調査書)で「主体的に学習に取り組む態度」の状況を判断できるようになったため、共通の検査から面接をなくすことにしたのです。今後、面接は学校の特色のために選考上必要と判断した学校・学科において特色検査の一つとして実施されるようになります。
教科ごとの観点別評価は以前から学校で行われてきましたが、これまで中学校において国語は5観点、他の教科は4観点と、その数や内容に違いがありました。2021年度から中学校で導入された新たな観点は、学力の3要素にしたがって各教科「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つで数・内容とも統一されています。
第2次選考で第3学年の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を数値化し活用
共通選抜(全日制)の一般募集において、第1次選考で募集定員の90%までを選考した後、残りの人員を選考するのが第2次選考です。現行制度における第2次選考は実施検査(学力検査と面接、一部高校では加えて特色検査)の結果のみで選考が行われています。今回の制度変更で共通の検査から面接がなくなるため、それに代わるものとして調査書の第3学年9教科の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を数値化したものが第2次選考で活用されることになります。第1次選考と第2次選考における各資料の扱いおよび数値(S値)算出方法は以下の通りです。
第1次選考だけでなく、第2次選考においても調査書が選考資料になったため、これまでは可能だった「検査当日の得点のみで勝負できる第2次選考で合格を狙う」という受験プランは組めなくなります。
「主体的に学習に取り組む態度」は、学校生活や家庭学習など毎日の積み重ねの成果が評価につながります。変更後の入試制度で受験することになる現中学2年生だけでなく、現中学1年生のみなさんもこれまで以上に日々の取り組みを大切にしながら学習に取り組んでいきましょう。
「神奈川県公立高等学校入学者選抜制度改善方針について」の資料全文は神奈川県教育委員会ホームページでご覧いただけます。掲載ページはこちらから