7月1日(月)、神奈川県教育委員会は「令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜募集案内」を公表しました。「募集案内」には入学者選抜制度の概要や日程等に加え、6月7日(金)に公表された選考基準も掲載されています。
2024(令和6)年度の入試から面接が共通の検査から外れ、学力検査と調査書が各校共通の選考資料になりました。第1次選考では調査書の評定(中学2年・中学3年)と学力検査の結果、第2次選考では調査書の観点のうち「主体的に学習に取り組む態度」の評価(中学3年のみ)と学力検査の結果でそれぞれ選考が行われます。各高校における2つの選考資料の取り扱いの比率や特色検査実施の有無及び特色検査の概要、調査書と学力検査の重点化の内容をまとめたものが選考基準です。
2025(令和7)年度、全日制の募集は194学科コースで行われます(クリエイティブスクールを除く)。以下は第1次選考における調査書の評定：学力検査の取り扱い比率の採択状況です。既存の高校で前年度から変更があったのは、足柄・市立横浜商業(スポーツマネジメント)・藤沢清流の3学科コースで、いずれも調査書の評定：学力検査の取り扱い比率を4：6から5：5へ変更し、調査書の比率を高めています。2025(令和7)年度はこの5：5のバランス型を採択した学科コースが100となり、全体の半数を超えました。次に採択が多かったのは学力検査をやや重視する4：6、その次が調査書の評定をやや重視する6：4で、これらの3つで全体の9割を占めています。
第1次選考での調査書：学力検査の比率に変更があった高校
左側が2024年度、右側が2025年度の採択比率です
●4:6⇒5:5 〔調査書重視へ〕足柄・市立横浜商業(スポーツマネジメント)・藤沢清流
●6:4⇒5:5 〔学力検査重視へ〕二俣川看護福祉(普通) ・二俣川看護福祉(福祉)
※二俣川看護福祉の看護科は普通科へ学科改編、福祉科の募集は継続。校名は変更される予定です。
第2次選考では調査書の「主体的に学習に取り組む態度」の観点評価の比重がもっとも小さい2：学力検査8を採択する学科コースが124で、全体の6割以上を占めています。次に採択数が多い3：7と合わせて8割を占めており、全体的に観点評価が選考に与える影響を小さくしようとする傾向があることが分かります。観点評価は27点満点のため、観点評価1に相当する学力検査の得点は採択比率によって大きく変わります。2024(令和6)年度入試では多くの高校で観点評価の差が合否を分けたケースが見られたため、受験生は注意が必要です。学力検査本番で得点できる力をつけるのはもちろんのこと、「主体的に学習に取り組む態度」の観点でも高評価を獲得できるよう、中学校の授業や課題への取り組み、家庭学習を日頃から大切にしましょう。
第2次選考での調査書の観点評価：学力検査の採択比率に変更があった高校
左側が2024年度、右側が2025年度です。
●7:3⇒5:5 〔学力検査重視へ〕市立横浜商業(スポーツマネジメント)
●5:5⇒3:7 〔学力検査重視へ〕市立川崎(生活科学)
●2:8⇒3:7 〔調査書の観点評価重視へ〕綾瀬・厚木清南・平塚農商
その他、昨年度からの変更点は以下の通りです。
再編・統合による募集停止
- 永谷
- 深沢
- 横浜旭陵
募集、学科等の新設・変更
二俣川看護福祉の学科改編 ⇒ 看護科の募集を停止し、新たに普通科の募集を実施。校名も変更の予定。
特色検査の比率の変更
左側が2024年度、右側が2025年度の比率です。いずれも実技検査重視へ変更されています。
●3⇒5 市立川崎総合科学(建設工学)〔第2次選考〕
●3⇒5 市立横浜商業(スポーツマネジメント)〔第1次選考〕
●4⇒5 市立川崎総合科学(デザイン)〔第2次選考〕
重点化の廃止
| 高校名 | 変更内容 | |
|---|---|---|
| 平塚工科 | 1次【調】、1次・2次【学】⇒ 重点化をすべて廃止 | |
| 横浜氷取沢 | 1次【調】⇒ 重点化を廃止 | |
| 逗子葉山 | 1次【調】⇒ 重点化を廃止 | |
※1次は第1次選考、2次は第2次選考、【調】は調査書、【学】は学力検査をあらわします。
神奈川県教育委員会の記者発表ページは以下のリンクよりご覧いただけます。
＞令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜の「募集案内」及び「実施要領」等について