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2012年03月23日
2012年度神奈川県公立高校入試総括

2012年度公立高校全日制一般募集の受検状況

現行制度最後となる公立高校入学者選抜が終了しました。はじめに入試の全体概況についてお伝えします。2012年度公立中学校卒業予定者数は67,832名(※1)で昨年度より1,311名増加しました。卒業予定者数増加に伴い、公立高校募集定員は1,060名増加の41,431名、実際に公立高校を受検した生徒は50,654名(※2)で、昨年より1,005名増加しています。

※1 「神奈川県学校基本調査」に基づく2011年5月時点での公立中学校中学3年の生徒数
※2 前期選抜合格者数+後期選抜受検者数合計(前期選抜不合格者が全て後期選抜を受検すると考えた場合)

現行入試制度最終年実質倍率 前期は2.06倍、後期は1.40倍

現行制度開始以降、毎年下がり続けていた前期選抜実質倍率は最終年度2.06倍で着地しました。後期選抜は1.40倍で、過去最高だった2010年度、2011年度とほぼ変わらない高倍率となりました。 公立高校を受検した生徒のうち、前期選抜を受検せず、後期選抜のみ受検した生徒は10,440名だったとみられます。これは全公立高校受検者の20.6%(昨年比プラス2.4%)に上る数字で、現行制度開始以降もっとも高い割合となりました。公立高校受検者50,654名のうち合格したのは41,788名で、この数字をもとに前期選抜・後期選抜を通した全体倍率を計算すると過去2年とほぼ同じ1.21倍となります。

新中3生が受検する2013年度入試からは受検機会は共通選抜1回のみとなり、全員に学力検査と面接が課されます。新入試初年度の倍率がどの程度になるのか注目したいところです。 また、独自入試も廃止となるため、これまでの独自入試実施校は学力検査と面接に加え、特色検査を実施する可能性もあると見られます。共通選抜の選考日程や各校の選考基準といった新たな情報は5月以降、神奈川県教育委員会より発表となります。

〔表3〕は2012年度全体倍率トップ10の高校です。各校とも全県平均を大きく上回る数字となっています。学力向上進学重点校と市立横浜サイエンスフロンティア(以下YSFH)の受検状況については〔表4〕をご覧ください。湘南は後期2/10志願者数が2011年度より100名以上多く、実質倍率も1.81倍となるなど19校の中でもっとも高い結果となりました。

表3 2012年度 全体倍率(前期後期計)トップ10

  学校名 学科名

旧学区

または区分

前期後期計 
全体倍率
前期実質倍率 後期実質倍率
1 湘南 普通 旧鎌倉藤沢 1.64 2.50 1.81
2 川和 普通 旧横浜北部 1.50 3.52 1.72
3 柏陽 普通 旧横浜南部 1.49 2.48 1.69
3 白山 普通科一般 旧横浜北部 1.49 2.75 1.97
5 藤沢清流 普通 旧鎌倉藤沢 1.43 2.63 1.84
6 横浜翠嵐 普通 旧横浜東部 1.41 4.40 1.51
6 釜利谷 普通(クリエイティブ) 旧横浜臨海 1.41 2.10 2.97
8 市立桜丘 普通 旧横浜中部 1.39 2.96 1.59
9 相模原 普通 旧相模原北部津久井 1.38 2.54 1.63
9 市ヶ尾 普通 旧横浜北部 1.38 2.15 1.75

 

表4 2012年度学力向上進学重点校+YSFH(市立横浜サイエンスフロンティア) 受検状況

学校名 募集
定員
前期選抜募集率(%) 前期選抜実質倍率 後期選抜募集定員 2/10志願者数 受検者数 欠席+
辞退者
合格
者数
後期
実質
倍率
前・後期計
全体倍率
湘南 356 20 2.50 285 602 563 80 288 1.81 1.64
川和 313 30 3.52 220 405 392 20 224 1.72 1.50
柏陽 275 30 2.48 193 350 342 14 199 1.69 1.49
相模原 276 40 2.54 166 279 276 3 169 1.63 1.38
横浜翠嵐 312 20 4.04 250 559 477 145 275 1.51 1.41
鎌倉 276 30 2.36 194 302 296 8 195 1.51 1.36
多摩 275 30 2.41 193 343 298 56 193 1.49 1.34
大和 276 40 2.10 166 248 244 5 167 1.46 1.27
光陵 275 30 1.56 170 261 250 13 171 1.45 1.30
横須賀 276 30 2.12 194 282 279 7 194 1.42 1.29
追浜 236 40 2.04 142 199 199 0 145 1.37 1.23
平塚江南 316 30 1.78 222 304 304 1 222 1.36 1.25
希望ヶ丘 276 30 2.57 194 266 265 1 197 1.35 1.24
YSFH 237 40 1.96 143 207 200 13 147 1.32 1.20
横浜緑ヶ丘 276 30 1.73 194 261 258 6 198 1.29 1.20
秦野 355 40 1.97 213 276 275 1 213 1.29 1.17
小田原 317 30 1.88 222 284 283 2 227 1.24 1.17
横浜国際 175 50 2.22 88 112 109 6 91 1.16 1.08
厚木 353 30 2.12 248 283 283 0 248 1.14 1.10

・・・独自入試実施校

※湘南や横浜翠嵐は難関国私立校との併願者も多いとみられ、当日の欠席者や後期受検後辞退者が19校の中でも多く出ています

県内公立高校の2012年度大学合格実績は

3月10日(土)、2012年度国立大学前期日程の発表が行われました。湘南は東大合格者数が1995年以来17年ぶりに20名を超えるなど、大きな話題となりました。YSFHも1期生が大学受験を迎え、東大3名ほか国公立大に47名が合格するなど健闘ぶりがすでに新聞などで報道されています。まだ後期日程の合格者は追加されていない「結果速報」の形ではありますが、進学重点校の多くはホームページで合格実績を公表しています。公立高校の大学合格実績については結果がまとまり次第、高校入試最前線でもあらためてお伝えします。

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